◆◇━━━━━◇◆ 心と体のリハビリテーション研究会 ◆◇━━━━━◇◆        〜*−*〜 KOKO-KARA Information 〜*−*〜              第58号:2016.7.3            サルコペニア(2)            http://www.koko-kara.info/ ◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇   「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信を  希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。 CONTENTS〈目次〉───────────────────────────  ■ サルコペニアについて 〜握力と健康の視点から考える〜(2)  ■ Spine Dynamics 療法特別研修会  ■ Spine Dynamics 学術シンポジウム2016  ■ Spine Dynamics 療法研究会(スパイン研)  ■ Spine Dynamics 療法認定制度  ■ 編集担当者からの一言 ───────────────────────────────────    ■ サルコペニアについて 〜握力と健康の視点から考える〜(2) ■ ───────────────────────────────────  ■はじめに   前号では「ロコモの入り口・基礎疾患と称されるサルコペニア」について  ご紹介させていただきました。今回は「握力と健康の2つの視点から考える  サルコペニア」について、握力を例に挙げ、リハビリテーションに活かして  いただける内容としてより詳細に紹介します。  ■握力と健康   加齢に伴う握力低下に関して、男女とも50歳を超えた頃から低下します。  下記は年齢、性別ごとの報告になります(単位はkg)。  男性:65〜69歳未満 39.34±6.12、70〜74歳 36.56±5.93、     75〜79歳 34.26±5.79、80〜84歳 26.7±6.5、85歳以上 23.8±6.4  女性:65〜69歳未満 24.68±3.84、70〜74歳 23.26±4.27、     75〜79歳 21.98±4.22、80〜84歳 16.3±4.2、85歳以上 14.6±4.6   歩行や転倒には下肢の筋力が関係すると考えられますが、下肢の筋力を正  確に測定するためには、特殊な機械が必要となります。握力と抗重力筋の下  肢筋である大腿四頭筋は、高い相関関係があると報告されており、簡易的に  握力を測定して評価できると考えられます。    また、握力は全身の健康状態を表すとされています。握力が低いほど、身  体機能低下や日常生活動作障害の発生率や死亡率が高いことが報告されてお  り、文部科学省の「体力・運動能力調査」の概要からも死亡率の高い高齢者  は握力が低いことを報告しています。これらのことから、握力が高いと寿命  が長いことが示唆され、サルコペニアの診断基準の1つと考えられます。   握力の基準値(サルコペニアの診断基準)   日本人男性:25kg以下、女性:20kg以下  【引用・参考文献】  「高齢者における運動機能低下の危険因子および転倒との関連の解明」   第27 回健康医科学研究助成論文集 平成22 年度pp.138〜147(2012.3)   東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター臨床運動器医学講座 村木   重之ら  「高齢者に行う握力測定の意義」   West Kyushu Journal of Rehabilitation Sciences 3:23-26,2010   西九州大学リハビリテーション学部 池田 望ら  「習慣的運動が健康に与える影響 〜握力を指標として〜」   実施報告4    新潟リハビリテーション大学 医学部リハビリテーション学科 中丸 葵ら ───────────────────────────────────        ■ Spine Dynamics 学術シンポジウム 2016 ■     ───────────────────────────────────      集まれ全国のセラピストの仲間たち         新しい治療概念でパラダイムシフトを              相互啓発でさらに理解を深めよう   理学療法が誕生して50年、これまで世界的に評価法や治療法の研究開発が  行われているが、今もって臨床現場の慢性疼痛疾患治療スタンダードは「患  部の疼痛緩和を目的とした物理療法」「患部 ROMエクササイズ」「患部筋力  トレーニング」である。しかし、そのような手法を三十年来臨床で繰り返し  た私たちが思うことは、疾患の治癒成果どころか改善の見込みさえ感じられ  ない理学療法を漫然と繰り返しているのではないかという懸念である。   今をもって西洋医学では、慢性疼痛疾患は癌などと共に効果的な治療がで  きない疾患として位置付けされている。厚生労働省による国民健康調査の結  果でも、腰痛・肩こりの有訴者が男女とも1位と2位を占め、生活の質の低下  及び就労困難による社会的損失を生む一因となっている。このような慢性疼  痛疾患の病態理解にあたり、同省から「慢性疼痛は、精神医学的要因、心理  学的要因、社会的な要因が複雑に関与して痛みを増悪させ遷延させている」  との提言がなされている。この提言を踏まえると、様々な因子によって慢性  疼痛疾患の病態が形成されていることは理解できるが、身体機能的要因につ  いては一切言及されておらず、理学療法の明確なガイドラインを得るまでに  は至っていない。   Spine Dynamics療法学術シンポジウムは、慢性疼痛疾患を身体機能的側面  から捉え直し、その共通した機能的問題点に対して、同志が自ら開発・施行  している運動力学に従った評価と治療法の高い妥当性と信頼性を確認し、国  内のみならず世界にその効果を情報発信していくシンポジウムとしたい。   日 時: 2016年 8月21日(日)   会 場: 福岡国際会議場(福岡県福岡市博多区石城町2-1)   http://www.koko-kara.info/symposium/2016/index.html ───────────────────────────────────          ■ Spine Dynamics 療法特別研修会 ■ ───────────────────────────────────   慢性疼痛疾患に対し、多くのセラピスト達が「患部のみの治療では完治し  ない」と感じているのではないでしょうか。世界的にも、慢性疼痛に対する  客観的評価法及び保存治療法はいまだ確立されておらず、現場では対症療法  が中心にならざるを得ません。   そこで我々は、患部を何らかの機序で発生した『結果』と捉えることで、  真の慢性疼痛疾患治療が実践できることを提唱します。慢性疼痛疾患の治療  では、身体のメカニカル及び反射的な両要素の因果関係を解き、根因となる  問題点を改善する必要があります。   本講演では、筋出力(作用力)と反作用力を緩衝する脊柱弯曲機能の関係  を、実技デモや多くの動画を用いて、分かりやすく説明します。  ◇ 会場・期日    沖 縄: 7月10日    プレ概説    福 岡: 8月27日〜28日 マイスター1(準備中)    沖 縄: 9月17日〜18日 入門編1・2    広 島:10月 9日〜10日 ベーシック1    福 岡:10月22日〜23日 マイスター2(準備中)    札 幌:11月12日〜13日 入門編1・2    滋 賀:11月19日〜20日 ベーシック1   内容の詳細・お申し込みはホームページで!    http://www.koko-kara.info/seminar/index.html  ◇各会場ともお申込みが大変多くなっています。   受講がお決まりの方は、お早めにお申込みいただくことをお勧めします。 ───────────────────────────────────       ■ Spine Dynamics 療法研究会(スパイン研) ■ ───────────────────────────────────  「心と体のリハビリテーション研究会」の下部組織であるSpineDynamics療  法研究会、通称「スパイン研」。発足から2年が経過し、新たな情報も追加  された内容で展開しております。   SpineDynamics療法を実践するスタッフが、臨床でのSpineDynamics療法の  経験をより多くのセラピストにお伝えし共に研鑽に励む研究会として全国で  活動を行います。   少人数でのセミナーを開催し、少しでも多くの方にSpineDynamics療法を  知って頂きたい、理解して頂きたいと複数の講師がそれぞれの視点から  SpineDynamics療法を論じています。  <開催日:場所>  ・ 7月23日〜24日 福岡研修会 :脊柱の回旋・屈伸・側屈運動に着目  ・ 7月30日    香川研修会 :全体論から推察した身体環境  ・ 7月31日    香川研修会 :Spine Dynamics理論の総括  ・ 7月31日    鹿児島研修会:脊柱の回旋運動に着目  ・ 8月28日    鹿児島研修会:脊柱の屈伸・側屈運動に着目  ・ 8月28日    東京研修会 :Spine Dynamics理論の理解  ・ 9月 4日    宮城研修会 :脊柱の回旋・屈伸・側屈運動に着目  ・ 9月 4日    宮崎研修会 :臨床現場で活きるSD療法を学ぶII  ・ 9月11日    東京研修会 :Spine Dynamics療法の実践  ・ 9月18日    鹿児島研修会:第1回 技術講習会  ・ 9月25日    鹿児島研修会:仙腸関節運動に着目   スパイン研公式Facebookサイト   http://www.facebook.com/spineken   内容の詳細・お申し込みはホームページで!   http://www.koko-kara.info/spine-ken/index.html  ◇各会場とも参加人数に限りがあります。   受講がお決まりの方は、お早めにお申込みいただくことをお勧めします。 ───────────────────────────────────          ■ Spine Dynamics療法認定制度 ■ ───────────────────────────────────   Spine Dynamics療法認定とは、心と体のリハビリテーション研究会が、  Spine Dynamics療法の普及と発展を通じ、セラピストの育成と患者様や利用  者様の QOL向上に寄与するため、Spine Dynamics療法の理論と実践に基づい  たケアサービスの提供ができる施設およびセラピストを認定し、登録するも  のです。   Spine Dynamics療法認定制度には、Spine Dynamics療法を実施する施設を  認定・登録する「Spine Dynamics療法実践施設」と、セラピストを認定・登  録する「Spine Dynamics療法セラピスト」(認定資格および上級認定資格の  2段階)があります。認定施設および認定資格セラピストは、当ホームペー  ジで公表いたします。   認定制度の詳細および申請方法は、ホームページをご覧ください。   http://www.koko-kara.info/certified/index.html ───────────────────────────────────            ■ 編集担当者からの一言 ■ ───────────────────────────────────   現代の高齢者リハビリテーションには、サルコペニアは切っても切り離せ  ない関係性にあります。   骨・関節・筋肉の維持には、効果的な栄養の摂取と日常の運動が、健康で  充実した高齢期の生活に大きく影響をもたらすため、正しい指導・説明を心  がけましょう。 **********************************************************************      − 最後までお読みいただきありがとうございました − 「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信  を希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。   ※バックナンバーはホームページに掲載しています。    今後、このようなメールの配信が不要な方は、お手数をおかけしますが、  タイトル欄に「配信不要」とご記入の上、返信してください。  また、アドレスの変更等がございましたら、その旨ご連絡ください。       発 行 : 心と体のリハビリテーション研究会       e-mail : info@koko-kara.info       URL : http://www.koko-kara.info/       facebook: http://www.facebook.com/kokokaraken *********************************************************************