◆◇━━━━━◇◆ 心と体のリハビリテーション研究会 ◆◇━━━━━◇◆        〜*−*〜 KOKO-KARA Information 〜*−*〜              第54号:2015.9.6     整形外科領域画像診断の変革 〜超音波診断装置の普及〜            http://www.koko-kara.info/ ◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇   「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信を  希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。 CONTENTS〈目次〉───────────────────────────  ■ 整形外科領域画像診断の変革 〜超音波診断装置の普及〜  ■ Spine Dynamics 療法特別研修会  ■ Spine Dynamics 療法研究会(スパイン研)  ■ Spine Dynamics 療法認定制度  ■ 心と体のリハビリテーション研究会の facebook 好評配信中!  ■ 求む! 特別研修会 地域世話人  ■ 編集担当者からの一言 ───────────────────────────────────    ■ 整形外科領域画像診断の変革 〜超音波診断装置の普及〜 ■ ───────────────────────────────────   みなさんもご存知の通りX線画像は整形外科の基本であり、世界中に普及  し、誰もが簡単に検査を受けられます。   X線画像の歴史は 100年を超え、先人たちの積み重ねが今日の整形外科学  の礎を築き上げてきました。長く診断学の主役であったため、必然的に整形  外科では骨が重要な情報源となり、骨を中心に病態とその治療を考えてきま  した。1970年代に登場した CT、MRIはX線画像の弱点である骨の内部病変、  軟部組織の描出を可能にしました。X線では見えなかったものが捉えられる  ようになったのです。整形外科学の進歩は、まさに画像診断技術の進歩と足  並みをそろえてきたと言っても過言ではありません。   ここで超音波の歴史を振り返ってみたいと思います。ヒトが超音波を作り  出せるようになったのは、1880年のことで、宝石の表面に小さな埃が付着す  ることをきっかけにして、水晶に圧力をかけると電気が生じる圧電効果が発  見されてからです。そして、ヒトの生活に応用されるのは、1912年に起こっ  たあの有名な豪華客船タイタニック号の沈没事故がきっかけです。船から海  中の氷山の位置を調べる方法として、水の中で減衰しにくい超音波が跳ね返  ってくるまでの時間を測定し、1914年には3km先の氷山を見つけられるよう  になります。その年に始まった第一次世界大戦では、潜水艦の位置を知る目  的にも利用されます。このときに作られたものが、現在の医療用超音波発生  装置の基礎になります。   医療の分野に超音波が登場するのは1950年代で、超音波の組織破壊作用を  生かして、末期癌の痛みやパーキンソン病に対して脳の一部を破壊する試み  がなされます。また、現代でも行われている超音波による理学療法もこの頃  から始まります。診断の分野でも、この頃から胆石や乳腺腫瘍に応用され始  めますが、何といっても画期的だったのは、2次元的な断層像が描けるよう  になったことです   では、超音波診断装置が普及してきた理由とは?メリットとは何でしょう  か?   1)侵襲、被爆等のリスクを伴わない   2)X線画像より素早く身体の内部情報が得られる   3)CT・MRI より空間分解能・時間分解能が優れている   4)装置そのものを簡単に持ち運べる   5)強力なコミュニケーションツールとなる   6)診療・評価時間が大幅に短縮できる   7)医療費削減に貢献できる  みなさんは超音波のこれらメリットをご覧になってどう感じるでしょうか?  超音波は過去30年でほとんど全ての診療科で超音波が一般化されてきました  が、整形外科運動器領域では10年遅れて、近年やっと整形外科の医師はもち  ろんのこと、理学療法士などのコメディカルの臨床や研究の場においても急  速に普及してきました。   整形外科領域における超音波の普及は診療される患者様ばかりではなく、  診療する医師や理学療法士などのコメディカルに対しても大きな恩恵をもた  らします。なぜなら、超音波装置を使いこなすために必要なのは、解剖学と  整形外科の知識そのものであるからです。また、小型化、軽量化が進んだこ  とによりベッドサイドや院外のスポーツ現場で威力を発揮しています。運動  器超音波の普及・啓発、診療から治療まで全てを行う日本の診療スタイルに  マッチしていることに加え、整形外科領域の診療、評価の質を引き上げるこ  とに貢献できると推測できます。   これは近年、装置のデジタル化、高周波化により画質が飛躍的に向上し注  目を集めてきた超音波診断装置がリアルタイムに運動器の損傷状態、動的な  異常、血流、組織弾性を評価することが可能となり、整形外科診療にとって  必要不可欠なモダリティとなりつつあることがあげられます。   以上のことが、専門分野の手術に特化し、画像診断、保存治療を他科に委  ねる欧米の整形外科の追従を許さないものへとなり、欧米発の画像技術であ  るX線・CT・MRI が整形外科分野の発展に大きく寄与したように、これから  は日本発の技術である超音波画像が整形外科領域の診療、評価、治療の質の  向上を飛躍的に進歩させる原動力となるでしょう。   引用文献    皆川 洋至 学問寛仁〜整形外科診療のパラダイムシフト〜    日本整形外科超音波学会 2015 ───────────────────────────────────          ■ Spine Dynamics 療法特別研修会 ■ ───────────────────────────────────   慢性疼痛疾患に対し、多くのセラピスト達が「患部のみの治療では完治し  ない」と感じているのではないでしょうか。世界的にも、慢性疼痛に対する  客観的評価法及び保存治療法はいまだ確立されておらず、現場では対症療法  が中心にならざるを得ません。   そこで我々は、患部を何らかの機序で発生した『結果』と捉えることで、  真の慢性疼痛疾患治療が実践できることを提唱します。慢性疼痛疾患の治療  では、身体のメカニカル及び反射的な両要素の因果関係を解き、根因となる  問題点を改善する必要があります。   本講演では、筋出力(作用力)と反作用力を緩衝する脊柱弯曲機能の関係  を、実技デモや多くの動画を用いて、分かりやすく説明します。  ◇ 会場・期日    別 府: 9月26日〜27日 入門編1・2【残席わずか】    福 岡:10月 3日〜 4日 入門編1・2【残席わずか】    滋 賀:10月17日〜18日 入門編1・2【満員御礼】    宮 城:10月31日〜11/1日 ベーシック1    茨 城:11月 3日    プレ概説    熊 本:11月14日〜15日 ベーシック2    広 島:11月21日    トレーナーコース    福 岡:12月19日〜20日 ベーシック1   内容の詳細・お申し込みはホームページで!    http://www.koko-kara.info/seminar/index.html  ◇各会場ともお申込みが大変多くなっています。   受講がお決まりの方は、お早めにお申込みいただくことをお勧めします。 ───────────────────────────────────       ■ Spine Dynamics 療法研究会(スパイン研) ■ ───────────────────────────────────   2013年10月17日に発足した「心と体のリハビリテーション研究会」の下部  組織であるSpineDynamics療法研究会、通称「スパイン研」。   SpineDynamics療法を実践するスタッフが、臨床でのSpineDynamics療法の  経験をより多くのセラピストにお伝えし共に研鑽を励む研究会として発足し  ました。   少人数でのセミナーを開催し、少しでも多くの方にSpineDynamics療法を  知って頂きたい、理解して頂きたいと複数の講師がそれぞれの視点から  SpineDynamics療法を論じています。  <開催日:場所>  ・9月12〜13日:大分実技研修会          〜胸郭・肋椎、仙腸関節の徒手・運動療法〜【残りわずか】  ・9月13日:京都セミナー 〜SpineDynamics理論の統括〜  ・9月13日:東京セミナー 〜SpineDynamics理論の理解〜  ・9月27日:三島研修会 SpineDynamics療法 電子ジャーナル解説コース(1)   スパイン研公式Facebookサイト   http://www.facebook.com/spineken   内容の詳細・お申し込みはホームページで!   http://www.koko-kara.info/spine-ken/index.html  ◇各会場とも参加人数に限りがあります。   受講がお決まりの方は、お早めにお申込みいただくことをお勧めします。 ───────────────────────────────────          ■ Spine Dynamics療法認定制度 ■ ───────────────────────────────────   Spine Dynamics療法認定とは、心と体のリハビリテーション研究会が、  Spine Dynamics療法の普及と発展を通じ、セラピストの育成と患者様や利用  者様の QOL向上に寄与するため、Spine Dynamics療法の理論と実践に基づい  たケアサービスの提供ができる施設およびセラピストを認定し、登録するも  のです。   Spine Dynamics療法認定制度には、Spine Dynamics療法を実施する施設を  認定・登録する「Spine Dynamics療法実践施設」と、セラピストを認定・登  録する「Spine Dynamics療法セラピスト」(認定資格および上級認定資格の  2段階)があります。認定施設および認定資格セラピストは、当ホームペー  ジで公表いたします。   認定制度の詳細および申請方法は、ホームページをご覧ください。   http://www.koko-kara.info/certified/index.html ───────────────────────────────────   ■ 心と体のリハビリテーション研究会の facebook 好評配信中!■ ───────────────────────────────────   心と体のリハビリテーション研究会の facebook サイトでは、各種講演会  ・研修会のお知らせやその様子をタイムリーに発信しています。   また、研究会ホームページ(掲示板)に書き込めないつぶやきや、ちょっ  とした質問など、どしどしご投稿ください。    facebookサイト http://www.facebook.com/kokokaraken ───────────────────────────────────          ■ 求む! 特別研修会 地域世話人 ■ ───────────────────────────────────   この度、「心と体のリハビリテーション研究会」では、「姿勢制御アプロ  ーチ」講演会にご参加いただいたみなさまからのご希望により、ご要望に応  じた「特別研修会」を実施することになりました。   そこで、研究会事務局では、上記地区の研修会と同じような企画をしてい  ただける地域世話人を募集いたします。   地域世話人募集に関する詳細はホームページをご覧ください。   http://www.koko-kara.info/seminar/index.html#sewanin    ───────────────────────────────────            ■ 編集担当者からの一言 ■ ───────────────────────────────────   今回は、整形外科領域で注目される超音波についてお話しさせていただき  ました。   まだまだ研究、学術での報告が数少ない超音波ですが、組織の状態や動態、  または日々の臨床の中で感じる主観的評価の疑問を客観的、定量的に評価で  きる画期的診療ツールであると思います。   これを機会に、みなさんも超音波に触れてみてはいかがでしょうか。 **********************************************************************      − 最後までお読みいただきありがとうございました − 「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信  を希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。   ※バックナンバーはホームページに掲載しています。    今後、このようなメールの配信が不要な方は、お手数をおかけしますが、  タイトル欄に「配信不要」とご記入の上、返信してください。  また、アドレスの変更等がございましたら、その旨ご連絡ください。       発 行 : 心と体のリハビリテーション研究会       e-mail : info@koko-kara.info       URL : http://www.koko-kara.info/       facebook: http://www.facebook.com/kokokaraken *********************************************************************