◆◇━━━━━◇◆ 心と体のリハビリテーション研究会 ◆◇━━━━━◇◆        〜*−*〜 KOKO-KARA Information 〜*−*〜              第44号:2014.3.2      〜 論理的思考 −ロジカルシンキング− Part2 〜            http://www.koko-kara.info/ ◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇   「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信を  希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。 CONTENTS〈目次〉───────────────────────────  ■ 論理的思考 −ロジカルシンキング− Part2  ■ Spine Dynamics 療法認定制度 いよいよ登録開始しました!  ■ Spine Dynamics 療法研究会が発足しました  ■ Spine Dynamics 療法特別研修会  ■ 心と体のリハビリテーション研究会の facebook を始めました!  ■ 求む! 特別研修会 地域世話人  ■ KOKO-KARAホームページ メンテナンスのお知らせ  ■ 編集担当者からの一言 ───────────────────────────────────       ■ 論理的思考 −ロジカルシンキング− Part2 ■ ───────────────────────────────────   セラピストがアプローチを実施する際、多くの方法から最も有効であろう  と思われる手法を選択します。この選択は患者の治療成果や予後に直結する  ため、臨床で結果を残すには、そのケースにあったアプローチ方法を選択す  る能力が求められます。   アプローチ方法は評価結果を基に決定しますが、この過程には得られた評  価から必要な情報を抜粋し、その情報を統合、解釈することが重要になりま  す。論理的思考が物事をモレなく効率的に考える上で大切な捉え方であり、  様々な場面で利用できることは前回のメルマガでご理解していただけたかと  思います。   今回は論理的思考能力を高めるためのトレーニング方法を紹介します。  「論理的思考のトレーニング」   論理的思考で解答を出すには、論題もしくは主張に関する情報を集め、整  理し、解釈します。また適切かつ根拠に基づく思考を行うためにも批判的思  考(クリティカルシンキング)も必要であり、「三角ロジック」というトレ  ーニング法があります。  三角ロジック   このトレーニング方法は演繹法、帰納法ともに活用することが可能で、デ  ータ(真実とされている事象)、根拠(自論を裏付ける事象)、主張(自論)  をそれぞれ整理することができます。また簡単な図式化も可能となります。  今回は「腰部の安静時痛」を例にトレーニング手順を説明します。  1.まずはこの痛みについて実施者が、帰納的な論理でセルフディベートを   以下のような流れで行います。セルフディベートとは、自身の中で疑問に   対する肯定・否定の論議を行い、解答を導き出すことです。   論題:患者Aが訴えている「腰部の安静時痛」の原因は何か?   1)データ:安静時の痛みは急性痛で起こった。   2)根拠:痛みは安静にしていても時に起こっていたから。   3)主張:患者の痛みは急性期だ。  2.これに対し、以下のように批判的思考を行います。   1)反論データ:じっとしている時の痛みは慢性期でも起こる。   2)反論根拠:慢性期でも痛みは起こる。   3)反論主張:患者の痛みは必ずしも急性期とは限らない。   この反論は最初の主張に対して正反対ではなく、あくまで「必ずしもそう   とは言えない」という保留条件の反論が有効とされます。  3.「腰部の安静時痛」に対して帰納的論理で肯定的主張と否定的主張がで   きました。次にこの両論から導かれる解決策を検討していきます。   今回の場合、疼痛評価を行う際にそれが「急性炎症」であるかを判断する   必要があるという結論が得られ、受傷機転や疼痛の時間的経過など問診内   容に修正・追加を行い、再度推論します。加えて姿勢評価、筋緊張評価な   ど情報を追加収集します。   この三角ロジックは自分自身でも行えますが、他者の意見を取り入れると  より偏りがない解答を得やすくなります。最後に、論理的思考の活用は様々  な場面で重要ですが、決定までの過程に時間がかかるため診療時間が限られ  ている場合や実施者自身に確実性のある情報が少ない場合は必ずしも有効な  思考法とはなりません。   しかし、より質の高い治療法の確立のためには繰り返し論理的思考を展開  し、現場で活用しながら試行錯誤した結果から得られたデータを蓄積するこ  とが大変重要になります。患者に論理的思考から導き出された根拠に基づい  た治療を提供することを繰り返すことが、EBPTの確立や我々セラピストの存  在価値を高めることに繋がっていくと思われます。  【参考引用文献】   1)岡田 亨:痛みに対する理学療法の考え方―クリニカルディシジョン     メイキング―、理学療法 23−1:51‐57、2006 ───────────────────────────────────    ■ Spine Dynamics療法認定制度 いよいよ登録開始しました!■ ───────────────────────────────────   Spine Dynamics療法認定とは、心と体のリハビリテーション研究会が、  Spine Dynamics療法の普及と発展を通じ、セラピストの育成と患者様や利用  者様の QOL向上に寄与するため、Spine Dynamics療法の理論と実践に基づい  たケアサービスの提供ができる施設およびセラピストを認定し、登録するも  のです。   Spine Dynamics療法認定制度には、Spine Dynamics療法を実施する施設を  認定・登録する「Spine Dynamics療法実践施設」と、セラピストを認定・登  録する「Spine Dynamics療法セラピスト」(認定資格および上級認定資格の  2段階)があります。認定施設および認定資格セラピストは、当ホームペー  ジで公表いたします。   認定制度の詳細および申請方法は、ホームページをご覧ください。   http://www.koko-kara.info/kcst/ ───────────────────────────────────          ■ Spine Dynamics 療法特別研修会 ■ ───────────────────────────────────   慢性疼痛疾患に対し、多くのセラピスト達が「患部のみの治療では完治し  ない」と感じているのではないでしょうか。世界的にも、慢性疼痛に対する  客観的評価法及び保存治療法はいまだ確立されておらず、現場では対症療法  が中心にならざるを得ません。   そこで我々は、患部を何らかの機序で発生した『結果』と捉えることで、  真の慢性疼痛疾患治療が実践できることを提唱します。慢性疼痛疾患の治療  では、身体のメカニカル及び反射的な両要素の因果関係を解き、根因となる  問題点を改善する必要があります。   本講演では、筋出力(作用力)と反作用力を緩衝する脊柱弯曲機能の関係  を、実技デモや多くの動画を用いて、分かりやすく説明します。  ◇ 会場・期日   米 子: 3月 7日(概論)社会医療法人仁厚会 米子東病院   米 子: 3月 8日〜 9日 鳥取大学医学部付属病院   福 岡: 3月15日〜16日 福岡リハビリテーション専門学校   宮 崎: 3月22日〜23日 【満員御礼】   香 川: 3月29日〜30日 穴吹リハビリテーションカレッジ   東 京: 4月13日    東京メディカル・スポーツ専門学校   高 崎: 4月20日    高崎市総合福祉センター   広 島: 4月29日    ケアウイング曙  ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!    http://www.koko-kara.info/kensyukai/  ◇各会場ともお申込みが大変多くなっています。   受講がお決まりの方は、お早めにお申込みいただくことをお勧めします。 ───────────────────────────────────       ■ Spine Dynamics 療法研究会が発足しました ■ ───────────────────────────────────   心と体のリハビリテーション研究会の姉妹研究会として、Spine Dynamics  療法研究会(Spine-ken:スパイン研)が発足しました。   KOKO-KARA 研究会主催の特別研修会の内容を臨床現場で活用し易くするた  めに、より具体的な手技と手法を研究し、その成果をセミナー形式で普及い  たします。   三島研修会: 3月16日(日)10:00〜16:00【満員御礼】          4月20日(日)10:00〜16:00【受付中】  ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!    http://www.koko-kara.info/spine-ken/   スパイン研公式Facebookサイト   http://www.facebook.com/spineken ───────────────────────────────────   ■ 心と体のリハビリテーション研究会の facebook 好評配信中!■ ───────────────────────────────────   心と体のリハビリテーション研究会の facebook サイトでは、各種講演会  ・研修会のお知らせやその様子をタイムリーに発信しています。   また、研究会ホームページ(掲示板)に書き込めないつぶやきや、ちょっ  とした質問など、どしどしご投稿ください。    facebookサイト http://www.facebook.com/kokokaraken ───────────────────────────────────          ■ 求む! 特別研修会 地域世話人 ■ ───────────────────────────────────   この度、「心と体のリハビリテーション研究会」では、「姿勢制御アプロ  ーチ」講演会にご参加いただいたみなさまからのご希望により、ご要望に応  じた「特別研修会」を実施することになりました。   そこで、研究会事務局では、上記地区の研修会と同じような企画をしてい  ただける地域世話人を募集いたします。   地域世話人募集に関する詳細はホームページをご覧ください。   http://www.koko-kara.info/kensyukai/sewanin.html    ───────────────────────────────────      ■ KOKO-KARAホームページ メンテナンスのお知らせ ■ ───────────────────────────────────   KOKO-KARA ホームページのメンテナンスを以下の日時で行います。   メンテナンス中はホームページを利用できませんのでご了承ください。    2014年3月9日(日) 9:00〜17:00のうち3時間程度 ───────────────────────────────────            ■ 編集担当者からの一言 ■ ───────────────────────────────────   論理的思考を展開する際、情報量が多い方が思考しやすくなりますが、実  施者自身が思考の迷路に陥り、解答が複雑で解りにくくなってしまうことも  あります。   問題解決策は常にシンプルにするように心がける必要があると言えます。 **********************************************************************      − 最後までお読みいただきありがとうございました − 「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信  を希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。   ※バックナンバーはホームページに掲載しています。    今後、このようなメールの配信が不要な方は、お手数をおかけしますが、  タイトル欄に「配信不要」とご記入の上、返信してください。  また、アドレスの変更等がございましたら、その旨ご連絡ください。       発 行 : 心と体のリハビリテーション研究会       e-mail : info@koko-kara.info       URL : http://www.koko-kara.info/       facebook: http://www.facebook.com/kokokaraken *********************************************************************