◆◇━━━━━◇◆ 心と体のリハビリテーション研究会 ◆◇━━━━━◇◆        〜*−*〜 KOKO-KARA Information 〜*−*〜              第34号:2012.12.2          〜 ゴール設定のための問診法 (2) 〜            http://www.koko-kara.info/ ◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇   「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信を  希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。 CONTENTS〈目次〉───────────────────────────  ■ ゴール設定のための問診法 (2)  ■ Spine Dynamics 療法特別研修会  ■ 心と体のリハビリテーション研究会の facebook を始めました!  ■ 求む! 特別研修会 地域世話人  ■ 編集担当者からの一言 ───────────────────────────────────           ■ ゴール設定のための問診法 (2) ■ ───────────────────────────────────   前回は、ゴール設定のための問診法として必要と思われる概念であるOpen  questionについてお話ししました。   今回は、問診の際に必要であろう項目、Open questionを用いた例を挙げ、  問診の具体的な方法についてお話ししていきます。   まずは、以下に問診の際に必要であろう項目を記載します。   (→:矢印の後は半月板損傷患者の訴えの例)  A.患者のプロフィール(年齢、性別、職業、運動習慣など)    B.仮説構築に必要なカテゴリー  (1)機能障害   ・症状を軽減または悪化させる活動は?      → しゃがみこみで痛くなる   ・できなくなった活動は?     → 草取り、正座  (2)症状/機能異常の原因   ・部位(具体的な場所、強さ、深さ、範囲)     → 膝の内側の奥で痛む   ・特徴(持続的 or 間欠的?、機械的 or 炎症性?、神経障害?)     → 引っかかるようにズキッと痛む   ・様態(悪化 or 寛解、日内変動の有無とパターン)     → 曲げたときは痛いけど、それ以外は痛くない  (3)病歴(発症時の様子、経過、以前の治療内容とその効果)   ・自律神経系の状態   (安静時脈拍、軽運動での脈拍上昇と運動終了後の回復、睡眠の状態など)     → 寝られない、息があがりやすい、疲れやすいなどは特にない   ・動作、姿勢、ストレス、感情と症状の関連性     → 体重をかけて膝を深く曲げたときに痛む、特に仕事の後疲れたとき      に多い   ・現病歴、既往歴(外傷 or 自然発症?、身体環境および心理的影響など)     → 特にこれといった原因はない   上述の内容を Open question を用いて問診を進めると…  セラピスト:今、痛いところはどこですか?  患者   :膝の内側です。  セラピスト:今の問題点は何ですか?  患者   :しゃがんだ時に痛いことです。草取りができなくて困ります。        正座も痛いですけど、今自宅では椅子やベッドを使ってあまり        負担がかからないようにしています。  となります。この場合しゃがみ込みと正座が疼痛動作となりますが、優先し  て評価し、改善を図る動作がしっかりと特定できます。   患者毎に必要な情報は異なりますが、「なぜ症状が出現しているのか」、  「障害をどのように感じているのか」を明確にし、患者とセラピスト双方が  理解することによって、的確なゴール設定やアプローチの方向性を決定する  ことができると考えられます。   また、このような問診は、セラピスト側が状態を把握するのと同時に、患  者が自身の症状に対し「なぜ起こっているのか」、「どう対応すれば良いか」  などの「気づき」の場ともなり得ます。   このように、方向性を見出した上で再現性のある機能的評価を行い、組織  の状態などを加味して「どの程度改善したいか」、また「組織的にどの程度  改善が可能で、改善に頭打ちがあるならば、どのように代償し対応するか」  などの方策を患者と話し合うことができると考えます。   今後の方向性をしっかりと患者と話し合い、明確にしてこそ的確なゴール  設定ができます。これらは、患者自身が課題を持って、積極的にリハビリテ  ーションに取り組むモチベーションを維持することにつながると考えます。   参考文献   1)丸山仁司:考える理学療法〜評価から治療手技の選択〜,2004 ───────────────────────────────────          ■ Spine Dynamics 療法特別研修会 ■ ───────────────────────────────────   慢性疼痛疾患に対し、多くのセラピスト達が「患部のみの治療では完治し  ない」と感じているのではないでしょうか。世界的にも、慢性疼痛に対する  客観的評価法及び保存治療法はいまだ確立されておらず、現場では対症療法  が中心にならざるを得ません。   そこで我々は、患部を何らかの機序で発生した『結果』と捉えることで、  真の慢性疼痛疾患治療が実践できることを提唱します。慢性疼痛疾患の治療  では、身体のメカニカル及び反射的な両要素の因果関係を解き、根因となる  問題点を改善する必要があります。   本講演では、筋出力(作用力)と反作用力を緩衝する脊柱弯曲機能の関係  を、実技デモや多くの動画を用いて、分かりやすく説明します。  ◇ 会場・期日   熊 本: 1月13日    介護老人保健施設 ケアセンター 赤とんぼ   西 宮: 1月20日    平成リハビリテーション専門学校   福 岡: 2月 2日〜 3日 福岡リハビリテーション専門学校(残席僅か)   宮 崎: 2月23日〜24日 JA・JAMホール、宮崎リハビリテーション学院   福 岡: 3月16日〜17日 福岡リハビリテーション専門学校(満席)  ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!    http://www.koko-kara.info/kensyukai/    ☆ お申し込みは携帯電話からも可能です。     http://www.koko-kara.info/i/ ───────────────────────────────────   ■ 心と体のリハビリテーション研究会の facebook を始めました!■ ───────────────────────────────────   心と体のリハビリテーション研究会の facebook サイトでは、各種講演会  ・研修会のお知らせやその様子をタイムリーに発信しています。   また、研究会ホームページ(掲示板)に書き込めないつぶやきや、ちょっ  とした質問など、どしどしご投稿ください。    facebookサイト http://www.facebook.com/kokokaraken ───────────────────────────────────          ■ 求む! 特別研修会 地域世話人 ■ ───────────────────────────────────   この度、「心と体のリハビリテーション研究会」では、「姿勢制御アプロ  ーチ」講演会にご参加いただいたみなさまからのご希望により、ご要望に応  じた「特別研修会」を実施することになりました。   その第1弾となる「Spine Dynamics療法福岡特別研修会」をはじめ、豊橋、  米子、宮崎で開催いたします。   そこで、研究会事務局では、上記地区の研修会と同じような企画をしてい  ただける地域世話人を募集いたします。   地域世話人募集に関する詳細はホームページをご覧ください。   http://www.koko-kara.info/kensyukai/sewanin.html    ───────────────────────────────────            ■ 編集担当者からの一言 ■ ───────────────────────────────────   今回は、前回に引き続きゴール設定のための問診法についてお話ししまし  た。   セラピストの知識や技術、さらに言えば、リハビリテーションを一手段と  捉え、その手段を用いて患者がどのように問題点を克服するかを共に考える  ことが必要だと考えます。   ゴール設定の細かな方法については、「適切な目標設定の方法 〜 SMART  Goal Setting〜」(第13号参照)を参考にしてください。ゴール設定に難渋  した際の参考にしていただければ幸いです。  第13号:適切な目標設定の方法 (2010年12月5日)  http://www.koko-kara.info/mailmag/backnumber/koko-kara-info_013.txt **********************************************************************      − 最後までお読みいただきありがとうございました − 「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信  を希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。   ※バックナンバーはホームページに掲載しています。    今後,このようなメールの配信が不要な方は、お手数をおかけしますが、  タイトル欄に「配信不要」とご記入の上、返信してください。  また、アドレスの変更等がございましたら、その旨ご連絡ください。       発 行 : 心と体のリハビリテーション研究会       e-mail : info@koko-kara.info       URL : http://www.koko-kara.info/ *********************************************************************