◆◇━━━━━◇◆ 心と体のリハビリテーション研究会 ◆◇━━━━━◇◆        〜*−*〜 KOKO-KARA Information 〜*−*〜              第26号:2012.1.29           〜 疲れ(慢性疲労症候群)〜            http://www.koko-kara.info/ ◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇   「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信を  希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。 CONTENTS〈目次〉───────────────────────────  ■ 疲れ(慢性疲労症候群)  ■ まだ間に合う!姿勢制御アプローチ 沖縄特別講演会  ■ Spine Dynamics 療法特別研修会【札幌会場】開催決定!  ■ 求む! 特別研修会 地域世話人  ■ 編集担当者からの一言 ───────────────────────────────────            ■ 疲れ(慢性疲労症候群)■ ───────────────────────────────────  「あ〜疲れた」「だるい・・・」   これらの言葉は日常生活でよく耳にする言葉ではないでしょうか。日常生  活だけでなく、臨床の場でも、患者や我々セラピストも何気なくこの言葉を  発しています。よく耳にする言葉だけに、簡単に聞き流してしまうことはな  いでしょうか。   人間の体には本来、「痛み」や「発熱」などのように、重要な警報装置が  備わっています。痛みや発熱が生じた場合、その原因を特定し、薬剤の服用  や、休養を取る等、なんらかの対策が必要になります。   「疲れ」は疼痛・発熱と並ぶ生体の3大アラームと言われ、生命・健康を  維持する上で、とても重要なサインと言えます。   「疲れ(慢性疲労症候群)」とは、がんや甲状腺疾患、更年期障害などの  病気はないのに、仕事や家事など生活に支障をきたすほどの極端な疲労状態  が半年以上も続き、疲労感の他に、微熱や頭痛、リンパ節の腫れ、関節痛、  抑うつ状態、睡眠障害などの症状が見られるものとされています。その発生  機序は、自律神経コントロールの破綻と言われています。   そこで今回は、「疲れ」を自律神経系から捉えてみたいと思います。  ●「疲れ」のタイプ(交感神経タイプ・副交感神経タイプ)   「疲れ」は、交感神経タイプと副交感神経タイプに分けることができます。  両方とも言葉にすると同じ「疲れ」ですが、意味合いは大きく異なります。  1.交感神経活動が優位であることによる「疲れ」(交感神経タイプ)   交感神経の活動を優位にする要因は「過度のストレス」であり、現代人を   脅かす主なストレスに以下のようなものがあります。   1)働きすぎ:自律神経のバランスを崩す最たるものであり、眼精疲労、冷    房などによる体の冷え、睡眠不足などが多大なストレスとなる。   2)心の悩み:精神的なストレスが交感神経の緊張を招く。   3)薬の常用:西洋医学で処方される薬は、ほとんどが交感神経を緊張させ    るものであり、消炎鎮痛剤や降圧剤、ステロイド剤を数週間以上長期に    わたっての使用は、体を交感神経優位な環境へと導く。   これらの要因により交感神経の活動が慢性化した場合、朝から夜遅くまで   働き詰めで、ようやく夜遅くにゆっくり過ごす時間が取れた時などに、   “あ〜疲れた”とつい出てしまいます。  2.副交感神経活動が優位であることによる「疲れ」(副交感神経タイプ)   副交感神経を優位にさせる要因の一つに、たるんだ生活「過度の休息」が   あります。   1)運動不足:現代社会では便利な生活の追及により、体を動かす機会が少    なくなり副交感神経優位な環境へと導く。   2)食事:食べ過ぎによって副交感神経を優位にしすぎている方は、自己免    疫不全に至っていることが考えられる。   このように、副交感神経が優位になりすぎた場合、休日にゴロゴロ〜、ダ   ラ〜っと過ごした日もなんとなく夕方あたりに“あ〜疲れた”とつい出て   しまいます。  ●「疲れ」の発生機序   両者に共通する問題は、どちらかに偏った生活をしている点にあります。  本来、自律神経機能は交感神経、副交感神経がシーソーのようにバランスよ  く活動しています。   このシーソーのバランスが崩れた状況を、自律神経が司る生体防御機能の  うち、白血球の機能を例に考えてみます。細菌処理を担う顆粒球はアドレナ  リン受容体を保有しており、交感神経刺激により数、機能ともに活性化しま  す。一方、免疫を司るリンパ球はアセチルコリン受容体を保有しており、副  交感神経刺激により活性化します。交感神経優位の状態では、顆粒球の働き  は活性化し、反対にリンパ球の機能は低下します。一方、副交感神経優位の  状態では、リンパ球の働きは活性化し、顆粒球の機能は低下します。   つまり、自律神経のバランスが一方に偏った場合、どちらかの機能が疎か  になり、それぞれ特有の「疲れ」を生じさせるのです。   同じ「疲れ」でも、その発生機序は異なります。またリンパ球や顆粒球の  機能低下の他にも、肝機能低下や体力低下からも「疲れ」を自覚することが  あります。私たちが携わる多くの患者は、このような身体環境を併せ持って  いることを念頭におき、理学療法手法の選択を行っていくことがリハビリ成  功の近道と言えると思います。  ●対処法   以下にそれぞれのタイプに対する対処法をいくつかご紹介します。   交感神経タイプ   1)呼吸法:仕事や勉強などで交感神経活動が優位になっている場合、呼吸    が浅くなり、血中酸素濃度の低下を引き起こします。この状態に対する    有効な手段が呼吸法です。この呼吸法については当メルマガ第7号にて    詳しく紹介しているのでご参照ください。   2)有酸素運動:交感神経活動優位の初期は、血流は良好になるが、その後、    交感神経活動優位な状態が継続すると、血管収縮が持続し血流障害を引    き起こします。よって、筋活動を促す、つまり運動が有効な手段となり    ます。ただし、交感神経活動を誘発する過負荷な運動はさける必要があ    ります。   副交感神経タイプ   1)日光浴:交感神経、副交感神経の切り替りには、太陽光が影響していま    す。詳しくは当メルマガ16号をご参照ください。太陽光により交感神経    活動が活性化します。特に朝日を浴びるのが効果的です。   2)活発な行動:交感神経を刺激するような活動的な生活を心がけることが    大切です。1)でも記載したように日光は交感神経を刺激します。また、    自律神経のリズムでは日中に交感神経活動優位となりますので、日中に    屋外活動を活発に行うと効果的です。 ───────────────────────────────────     ■ まだ間に合う!姿勢制御アプローチ 沖縄特別講演会 ■ ───────────────────────────────────   沖縄特別講演会では「速効性のある機能改善手技」に焦点を絞り、Part1  の講師陣によるさらにパワーアップしたデモンストレーション検証実技をふ  んだんに踏まえ、これまでの常識を打ち破り、明確な効果を得られる治療手  法をご紹介いただきます。    参加した方々が検証実技からその理論を理解され、日々の臨床に生かせる  理論習得と意識の向上を目的としています。   この機会にぜひご参加ください。  ◇ 開催期日    2012年 2月 5日(日) 沖縄コンベンションセンター  ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!    http://www.koko-kara.info/kensyukai/okinawa/index.html       ☆ お申し込みは携帯電話からも可能です。     http://www.koko-kara.info/i ───────────────────────────────────    ■ Spine Dynamics 療法特別研修会【札幌会場】開催決定!■ ───────────────────────────────────   慢性疼痛疾患に対し、多くのセラピスト達が「患部のみの治療では完治し  ない」と感じているのではないでしょうか。世界的にも、慢性疼痛に対する  客観的評価法及び保存治療法はいまだ確立されておらず、現場では対症療法  が中心にならざるを得ません。   そこで我々は、患部を何らかの機序で発生した『結果』と捉えることで、  真の慢性疼痛疾患治療が実践できることを提唱します。慢性疼痛疾患の治療  では、身体のメカニカル及び反射的な両要素の因果関係を解き、根因となる  問題点を改善する必要があります。   本講演では、筋出力(作用力)と反作用力を緩衝する脊柱弯曲機能の関係  を、実技デモや多くの動画を用いて、分かりやすく説明します。  ◇ 開催期日     豊橋:2012年 2月19日    豊橋整形外科向山クリニック ※満席     米子:2012年 3月 3日〜 4日 社会医療法人仁厚会 米子東病院     宮崎:2012年 3月10日〜11日 宮崎リハビリテーション学院     長岡:2012年 4月14日〜15日 長岡市立劇場  New! 札幌:2012年 5月19日〜20日 札幌市教育文化会館  ~~~~  ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!    http://www.koko-kara.info/kensyukai/    ☆ お申し込みは携帯電話からも可能です。     http://www.koko-kara.info/i/ ───────────────────────────────────          ■ 求む! 特別研修会 地域世話人 ■ ───────────────────────────────────   この度、「心と体のリハビリテーション研究会」では、「姿勢制御アプロ  ーチ」講演会にご参加いただいたみなさまからのご希望により、ご要望に応  じた「特別研修会」を実施することになりました。   その第1弾となる「Spine Dynamics療法福岡特別研修会」をはじめ、豊橋、  米子、宮崎で開催いたします。   そこで、研究会事務局では、上記地区の研修会と同じような企画をしてい  ただける地域世話人を募集いたします。   地域世話人募集に関する詳細はホームページをご覧ください。   http://www.koko-kara.info/kensyukai/sewanin.html    ───────────────────────────────────            ■ 編集担当者からの一言 ■ ───────────────────────────────────   今回は「疲れ」について書かせていただきました。   セラピストも頭と体を使う職業です。患者はもとより、セラピストである  我々が自らの生活習慣を振り返り、どちらのタイプの「疲れ」を抱えている  のかを考えてみてはいかがでしょうか。   そして、今回紹介した対処法なども参考にしていただき、生活習慣の偏り  を減らし、まずはご自身の「疲れ」撃退に取り組んでいただければ幸いです。   その取り組みによって、患者マネジメントにもきっといい影響が得られる  と思います。 **********************************************************************      − 最後までお読みいただきありがとうございました − 「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信  を希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。   ※バックナンバーはホームページに掲載しています。    今後,このようなメールの配信が不要な方は、お手数をおかけしますが、  タイトル欄に「配信不要」とご記入の上、返信してください。  また、アドレスの変更等がございましたら、その旨ご連絡ください。       発 行 : 心と体のリハビリテーション研究会       e-mail : info@koko-kara.info       URL : http://www.koko-kara.info/ *********************************************************************