◆◇━━━━━◇◆ 心と体のリハビリテーション研究会 ◆◇━━━━━◇◆        〜*−*〜 KOKO-KARA Information 〜*−*〜              第21号:2011.8.28    〜 Spine Dynamics(スパインダイナミクス)療法の概念と理論 〜            http://www.koko-kara.info/ ◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇   「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信を  希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。 CONTENTS〈目次〉───────────────────────────  ■ Spine Dynamics(スパインダイナミクス)療法の概念と理論  ■ 第3回 姿勢制御アプローチ講演会 2011 参加者募集中!  ■ Spine Dynamics療法特別研修会 続々開催決定!  ■ 求む! 特別研修会 地域世話人  ■ 編集担当者からの一言 ───────────────────────────────────   ■ Spine Dynamics(スパインダイナミクス)療法の概念と理論 ■ ───────────────────────────────────   今月号は、当研究会の代表世話人である脇元幸一先生が提唱している  「Spine Dynamics(スパインダイナミクス)療法」の概念と理論についてご  紹介したいと思います。  1. スパインダイナミクス療法の概念  (1) スパインダイナミクス療法とは   アリゾナ大学のアンドリューワイル博士は、西洋医学にできないこととし  て「ウイルス感染治療」「精神疾患」「アレルギー」「自己免疫疾患」「う  つ病などの心身相関疾患」「悪性腫瘍」、そして「慢性疼痛疾患の治療」を  挙げている。   スパインダイナミクス療法は、慢性疼痛疾患に共通する脊柱機能異常を評  価・治療するシステムであり、現在においてもエビデンス構築を確立すべく  研究開発を進めている手法である。  (2) スパインダイナミクス療法のコンセプト   スパインダイナミクス療法のコンセプトは「重力場のルールに従う」とい  うものである。   重力場のルールにおける特徴は次の3つである。    1) 運動の力源は重心位置であり、その重心位置から末梢へ運動が連鎖し     ていく。    2) 力の作用‐反作用の機能的側面を重視する。つまり 1) で広がった運     動は、必ず、同じ力で重心に戻ってくる。    3) 重力に抗するためには、筋と骨による支持機能が必要である。  (3) 脊柱弯曲機能の重要性   脊柱は、(1) 重心に最も近い関節構成体である、(2) 隣接する個々の椎体  における可動域は少ないが、頸椎、胸椎、腰椎の計24椎が連動することによ  り大きな可動性を可能にしているという特徴がある。また、頸椎、胸椎それ  ぞれの弯曲は"バネ"の作用と同様に衝撃吸収する機能を持っている。   このような構造の背景は、4足歩行から2足歩行に進化する過程において  (1) 支持基底面の狭小化と、(2) 重心が垂直方向(上方向)へ移動したため、  より不安定な環境に対して安定性を確保することが重要になった。   このような脊柱弯曲機能が正常に機能している場合は、作用力(出力)に  対する反作用力の吸収が行えるため体幹四肢に大きなストレスを与えること  もなく、円滑な関節運動や筋出力が可能となる。   しかしながら、脊柱の弯曲機能が低下した場合には、出力に対する脊柱で  の反作用吸収能力機能が低下するため、円滑な筋出力が本能的に抑制される  ことになる。つまり、円滑な関節運動や筋出力が行えなくなる。   このような状態の慢性化は、体幹四肢の関節・筋への非生理的ストレスと  なり「痛み」を生じることにつながる。  2. スパインダイナミクス療法の理論  (1) スパインダイナミクス療法の基本的考え方   作用−反作用力の伝達効率の悪さが疼痛を生じるため、伝達効率が落ちな  いような脊柱弯曲機構を改善させること、つまり姿勢制御機構の正常化が必  要となる。  (2) 姿勢制御機構を破綻させる要因   正常な姿勢制御機構を破綻させる要因には次の二つが挙げられる。   (1) 物理的要因   (2) 反射的要因   (1) 物理的要因には、体力低下が挙げられる。    〜体力低下〜     体力が低下してしまうと、日常生活における筋代謝が無酸素代謝とな     ってしまい、交感神経活動異常を引き起こす。この交感神経活動異常     により、血管運動障害、筋スパズムなどが引き起こされ、正常な姿勢     制御機構が破綻する。   (2) 反射的要因には、心身相関の関与と内蔵からのストレスが挙げられる。    〜心身相関〜     情動反応が視床辺縁系でおこり、下行性交感神経活動異常を引き起こ     す。交感神経節は胸椎レベルにあるため、胸髄支配域の筋緊張が亢進     され正常な姿勢制御機構が破綻する。    〜内臓からのストレス〜     食事のタイミング、内容が不良になることにより内臓に負担がかかり、     内臓−体性反射により筋スパズムが引き起こされ、正常な姿勢制御機     構が破綻する。 ───────────────────────────────────     ■ 第3回 姿勢制御アプローチ講演会 2011 参加者募集中! ■ ───────────────────────────────────   「慢性痛疾患」や「運動器不安定症」に対するアプローチに難渋するセラ  ピスト達が声を挙げ、発足した「姿勢制御アプローチ」講演会は、今年で3  回目を迎えることができました。これまでの「形態を見て、形態を変える」  治療手法を見直し、全身の「機能を診て、機能を改善する」手法、すなわち  「姿勢制御アプローチ」による新しい治療の確立と効果立証が期待される時  代に、今まさに入ったといえます。   当講演会では全身の運動連鎖「姿勢制御機構」を考慮したアプローチを基  軸に「速効性のある機能改善手技」に焦点を絞り、Part1の講師陣によるさ  らにパワーアップしたデモンストレーション検証実技をふんだんに踏まえ、  これまでの常識を打ち破り、明確な効果を得られる治療手法をご紹介します。   参加した方々が検証実技からその論理を理解され、日々の臨床に生かせる  論理習得と意識の向上を目的としています。   この機会にぜひご参加ください。   ※当研修会(講演会)は「専門理学療法士」認証ポイントを取得することが    できます。  ◇ 開催期日    2011年 9月11日(日) 京都会場:京都テルサ    2011年10月16日(日) 東京会場:よみうりホール    2011年11月20日(日) 福岡会場:福岡国際会議場  ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!    http://www.koko-kara.info/kensyukai/part3.html    ☆ お申し込みは携帯電話からも可能です。     http://www.koko-kara.info/i/ ───────────────────────────────────      ■ Spine Dynamics 療法特別研修会 続々開催決定!■ ───────────────────────────────────  >> 12/3〜4 福岡、2/19 豊橋、3/3〜4 米子、3/10〜11 宮崎で開催決定!<<   慢性疼痛疾患に対し、多くのセラピスト達が「患部のみの治療では完治し  ない」と感じているのではないでしょうか。世界的にも、慢性疼痛に対する  客観的評価法及び保存治療法はいまだ確立されておらず、現場では対症療法  が中心にならざるを得ません。   そこで我々は、患部を何らかの機序で発生した『結果』と捉えることで、  真の慢性疼痛疾患治療が実践できることを提唱します。慢性疼痛疾患の治療  では、身体のメカニカル及び反射的な両要素の因果関係を解き、根因となる  問題点を改善する必要があります。   本講演では、筋出力(作用力)と反作用力を緩衝する脊柱弯曲機能の関係  を、実技デモや多くの動画を用いて、分かりやすく説明します。   ※当研修会(講演会)は「専門理学療法士」認証ポイントを取得することが    できます。  ◇ 開催期日    福岡:2011年12月 3日〜 4日 麻生リハビリテーション大学校    豊橋:2012年 2月19日    豊橋整形外科向山クリニック    米子:2012年 3月 3日〜 4日 社会医療法人仁厚会 米子東病院    宮崎:2012年 3月10日〜11日 宮崎リハビリテーション学院  ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!      http://www.koko-kara.info/kensyukai/    ☆ お申し込みは携帯電話からも可能です。     http://www.koko-kara.info/i/ ───────────────────────────────────          ■ 求む! 特別研修会 地域世話人 ■ ───────────────────────────────────  この度、「心と体のリハビリテーション研究会」では、「姿勢制御アプロー  チ」講演会にご参加いただいたみなさまからのご希望により、ご要望に応じ  た「特別研修会」を実施することになりました。  その第1弾となる「Spine Dynamics療法福岡特別研修会」をはじめ、豊橋、  米子、宮崎で開催いたします。研修会の詳細は、研究会ホームページをご覧  ください。http://www.koko-kara.info/index.html  そこで、研究会事務局では、今回の福岡等と同じような企画をしていただけ  る地域世話人を募集いたします。  地域世話人にお願いすることは、以下のような事項です。   (1) 研修会の企画   (2) 会場探しの協力と情報提供   (3) 参加募集の支援  なお、研究会事務局では以下の事項を行っています。   (1) 電子版チラシとホームページの作成   (2) 参加申込のシステム構築   (3) 参加券などの発送業務   (4) 開催までの諸準備   (5) 講師関係の秘書業務   (6) (社)日本理学療法士協会への諸申請業務  <研修会企画の参考例>   ■1日研修会    10:00〜16:30(昼食休憩1時間を含む)   ■1.5日研修会    土曜日:15:00〜17:00、日曜日: 9:30〜16:00   ■2日研修会    土曜日:10:00〜16:30、日曜日: 9:30〜16:00    ※各研修会の募集定員     40名〜60名  地域世話人にご応募いただける方は、研究会ホームページのお問い合せフォ  ームからご連絡ください。  http://www.koko-kara.info/mail/postmail.html ───────────────────────────────────            ■ 編集担当者からの一言 ■ ───────────────────────────────────   今回のコンテンツの内容は、まだまだ Spine Dynamics 療法の一部分に過  ぎません。   この先の内容について、順次、メルマガ等でご紹介したいと思います。   また、当会ホームページ上の『コミュニケーション広場』では、  「2nd Spine Dynamics 療法について語りましょう」というスレッドで、  「Spine Dynamics 療法」について脇元先生が質問にお答えしております。   かなりハイレベルで“つっこんだ”内容になっています。   こちらもご参照ください。 **********************************************************************      − 最後までお読みいただきありがとうございました − 「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信  を希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。   ※バックナンバーはホームページに掲載しています。    今後,このようなメールの配信が不要な方は、お手数をおかけしますが、  タイトル欄に「配信不要」とご記入の上、返信してください。  また、アドレスの変更等がございましたら、その旨ご連絡ください。       発 行 : 心と体のリハビリテーション研究会       e-mail : info@koko-kara.info       URL : http://www.koko-kara.info/ *********************************************************************