◆◇━━━━━◇◆ 心と体のリハビリテーション研究会 ◆◇━━━━━◇◆        〜*−*〜 KOKO-KARA Information 〜*−*〜              第9号:2010.7.25         〜体力を科学する 簡易的評価法の紹介〜            http://www.koko-kara.info/ ◇◆◇◆◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇◆◇  「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信を  希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。 CONTENTS〈目次〉───────────────────────────  ■ 体力を科学する 簡易的評価法の紹介  ■ 姿勢制御アプローチ 沖縄特別講演会 開催決定!  ■ 姿勢制御アプローチ講演会 Part2 参加者募集中!  ■ 編集担当者からの一言 ───────────────────────────────────         ■ 体力を科学する 簡易的評価法の紹介 ■ ───────────────────────────────────  (1) 体力とは  (2) 体力と痛みの関係  (3) 体力の客観的指数「WBI」とは  (4) Biodex を用いた WBI測定方法  (5) 簡易的な WBIの測定方法 ───────────────────────────────────  (1) 体力とは   「行動や生存の基礎となる身体的能力」と定義付けされています。体力は  行動体力と防衛体力の二つに分類されます。   行動体力とは、筋力や持久力などを指し、防衛体力とは生命維持、ストレ  スや環境変化への順応、免疫力などを指しています。   一般には「体力が高い」というと「筋力が強い」と考えられがちです。し  かし、その「筋力」を考えてみても、効率良く強い力を出す為には、関節可  動域にも余裕が必要となり、関節、筋肉の「柔軟性」も必ず必要となります。  さらに、体力には行動体力だけでなく、前述の防衛体力も含まれるので、  「体力」は身体全体の機能として捉える必要があります。  (2) 体力と痛みの関係     では、次に「痛み」と「体力」との関係性について考えてみましょう。   「体力」が低下すると   1) 身体筋活動は無酸素性代謝が多くなるので、交感神経優位な身体環境下    となり、自律神経機能低下を引き起こす。その結果、生体恒常性(ホメ    オスターシス)の恒常的維持が困難になる(免疫力の低下やストレスを    感じやすいなど)。   2) 身体支持性の要素が筋活動(筋性支持)より骨性支持の要素に変化する    ため、脊柱の生理的弯曲柔軟性が低下し、荷重関節への負担が増大する。   などといった様々な問題が引き起こされ、これらが「痛み」に関与してき  ます。これらに打ち勝つためには、適度な運動を行い、体力を維持・向上す  る必要があります。その、体力の維持、向上には運動だけでなく、生活習慣  等の改善も必須となります。代表的な点を以下に述べます。   1) 睡眠時間の確保    2) ストレスや疲労をため込まない   3) 食生活   これらに関しては以前のメールマガジンや「コミュニケーション広場」内  に詳細が記載されていますので、ご参照ください。  (3) 体力の客観的指数「WBI」とは   WBI とは Weight Bearing Index(体重支持指数)の略です。WBIとは大腿  四頭筋の等尺性最大筋力を測定し、この値を体重比%で表した数値で、荷重  運動機能を的確に評価できるとされています。WBI は体重比の数値であるた  め、向上させる為には、体重が大きければそれだけ多くの筋力が必要となり  ます。   黄川らによると大腿四頭筋筋力を測定する事で、人が地球の重力に抗して  どれだけの運動機能を有しているかを評価出来るとしています。また、WBI  値の意味するところは、ヒトの運動能力の反映のみならず、人体生理機能と  精神的健康観にまで反映される指標であると言われています。その為、前述  の通り、行動体力だけの評価ではなく、防衛体力の評価も含まれるのです。   WBI は身長、体表面積、性別、年齢、人種、骨関節形態等の個人的な因子  は含まず、個体差に左右されない客観的機能評価法と言われています。   WBI については以下もご参照ください。 http://firestorage.jp/download/84e9becb4050d3ea16b126d4a9fc6cf73fe78f31  (4) Biodex を用いたWBI測定方法   BIODEX 社製 system3を用い、膝関節屈曲70°の肢位で、膝伸展筋群等尺  性随意最大筋力を測定し、体重比にて算出します。以下に WBI算出方法の公  式も記載します。   WBI=最大トルク値(FT-LBS)÷7.23÷レバー長(cm)÷体重×100  (5) 簡易的な WBIの測定方法   先述のように本来、WBI 測定には高額な機器が必要とされていました。機  器を用いる事で、正確な数値は算出できますが、実用的ではありません。   そこで、今回は、台からの片脚立ち上がり検査にて WBIの目安が算出でき  ますので、紹介させて頂きます。   ■身長 170cm未満の方   ・スポーツ選手であれば床から可能である必要がある   ・10cm からの片脚での立ち上がりができれば WBIは 130   ・20cm からの立ち上がりができれば WBIは 100   ・30cm からの立ち上がりができれば WBIは 80   ・35cm からの立ち上がりができれば WBIは 60   ■身長 170cm以上の方   ・スポーツ選手であれば床から可能である必要がある   ・15cm からの片脚での立ち上がりができれば WBIは 130   ・25cm からの立ち上がりができれば WBIは 100   ・30cm からの立ち上がりができれば WBIは 80   ・40cm からの立ち上がりができれば WBIは 60   WBI の大まかな基準値の解釈は、    競技スポーツで怪我をしにくい最低基準値は WBI 130    競技スポーツ参加可能値は WBI 100    日常生活を問題無く行える最低基準値は WBI 80    日常生活活動障害ありは WBI 60   となります。 ───────────────────────────────────      ■ 姿勢制御アプローチ 沖縄特別講演会 開催決定! ■ ───────────────────────────────────   沖縄特別講演会では「速効性のある機能改善手技」に焦点を絞り、Part1  の講師陣によるさらにパワーアップしたデモンストレーション検証実技をふ  んだんに踏まえ、これまでの常識を打ち破り、明確な効果を得られる治療手  法をご紹介いただきます。    参加した方々が検証実技からその論理を理解され、日々の臨床に生かせる  論理習得と意識の向上を目的としています。   この機会にぜひご参加ください。 ◇ 開催期日   2011年 2月20日(日) 沖縄コンベンションセンター ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!   [トップページ]→[KOKO-KARA研究会主催の研修会]    http://www.koko-kara.info/kensyukai/okinawa/index.html    ☆ お申し込みは携帯電話からも可能です。     http://www.koko-kara.info/i ───────────────────────────────────      ■ 姿勢制御アプローチ講演会 Part2 参加者募集中! ■ ───────────────────────────────────   今回は Part1に引き続き、「体幹−四肢のバイオメカと心と体の関係」に  焦点を絞った「姿勢制御アプローチ」をテーマに、学術・実践の第一人者の  先生方を講師としてお招きしました。これまでの常識を打ち破り、明確な効  果を得られる治療手法をご紹介いただきます。   参加した方々が新しい知識を習得され、意識の向上と医療の質を高めるこ  とを目的としています。この機会にぜひご参加ください。 ◇ 開催期日   2010年 9月26日(日) 京都会場(京都テルサ)   2010年10月24日(日) 東京会場(よみうりホール)   2010年11月28日(日) 福岡会場(福岡国際会議場) ◇ 内容の詳細・お申し込みはホームページで!   [トップページ]→[KOKO-KARA研究会主催の研修会]    http://www.koko-kara.info/kensyukai/part2.html    ☆ お申し込みは携帯電話からも可能です。     http://www.koko-kara.info/i ───────────────────────────────────            ■ 編集担当者からの一言 ■ ───────────────────────────────────   WBI 測定は、皆さんの中では高額な機器が必要とされ、敬遠されがちだっ  たと思います。   今回のメールマガジンで紹介させて頂いた様に、特別な機器がなくても、  WBI 測定は可能である事を皆様にも知って頂けたと思います。また、WBI 測  定を行う事で、正確な運動処方(負荷、回数等も含めて)が可能となり、治  療プロセスの明確化にも繋がると考えます。   是非、これを期に皆さんも活用してみて下さい。また、ここで述べた方法  以外にも、WBI 測定方法はまだまだあり、今後紹介させて頂こうと思います。 **********************************************************************      − 最後までお読みいただきありがとうございました − 「KOKO-KARA Information」は、心と体のリハビリテーション研究会が主催  した研修会・講演会等に参加された方、ホームページからメルマガの配信  を希望された方に月1〜2回、無料で情報を配信するものです。   ※バックナンバーはホームページに掲載しています。    今後,このようなメールの配信が不要な方は、お手数をおかけしますが、  タイトル欄に「配信不要」とご記入の上、返信してください。  また、アドレスの変更等がございましたら、その旨ご連絡ください。       発 行 : 心と体のリハビリテーション研究会       e-mail : info@koko-kara.info       URL : http://www.koko-kara.info/ *********************************************************************